ごっつい武者絵から脱力系ゆるゆる戯画まで!画風別で見る浮世絵

2020年8月11日

浮世絵、というといかにもなアレを思い浮かべますよね?
クセが強くてイラスト素材としてはちょっと…なんて印象、持っていませんか?

現代で「浮世絵・錦絵・戯画」などに分類されている絵は、
当時パンフレットやブロマイド、カレンダー、絵本など色々な場所で使われていました。
なので年代ごとで流行り廃りがありますし、もちろん絵師によってもいろんなタイプがあるんですよ。

今回は、そんな江戸~明治初期の絵を画風別・浮世絵師別にご紹介。

注:彼らはめちゃくちゃ絵が上手いです。なのでここで紹介する画風以外の作品もたくさんあります。
こんな絵も描くんだ、くらいの気持ちで楽しんでいただければ。
…いろんな画風で描けるの、いいなぁ…

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ごっつい武者絵なら歌川国芳

今も昔も超絶売れっ子有名人、歌川国芳(うたがわ くによし)。
猫好きや一風変わった遊び心満載の絵が注目されて大人気ですが、とにかく絵が上手いです。
流行りに合わせて誇張表現があるにしても、骨格や筋肉の動きが本当に自然。

例えばこのしゃれこうべ。

当時は現代のように解剖学が進んでませんし、ましてや骨格標本なんて手に入らないのにこの正確さ。
びっくりですよね。(今よりご遺体を見る機会は多かったかもしれないけれど。。。)

そんな歌川国芳の得意分野は武者絵。
残念ながらUkiyoeStockではまだ代表的な絵は取り扱ってないのですが、
武将や英雄を書いた錦絵が飛ぶように売れたとか。

べらんめえ気質で、兄弟子の国貞(3代目豊国)とは仲が悪かったなんて
人間味あふれる逸話も多く残されてます。

また、お子さんが生まれてからは子ども向けの戯画もたくさん描きました。
擬人化・妖怪画も唸るほど上手いのでぜひ。

リアル!な人物画 月岡芳年

江戸後期から明治期に活躍した月岡芳年(つきおか よしとし)の人物はとにかくリアル!
もちろん、THE・浮世絵な作品も多いのですが。

だってこれ、絶対モデルの人いるでしょ…。

月岡芳年は、先ほどの歌川国芳の弟子でもあり、時代的に「最後の浮世絵師」なんて言われることもあります。
数多くの作品を残しているので、いろいろ見てみると楽しいですよ。

お気に入りはなんだかやる気のない桃太郎一行↓

ちょいゆるイラスト風 菱川師宣・西川祐信

菱川師宣(ひしかわ もろのぶ)は浮世絵の祖ともいわれた人物で、
単なる挿絵だった浮世絵を芸術に昇華させた絵師です。
歌川国芳らの200年近く前に活躍した大先輩。

まだ「浮世絵らしさ」のようなものが決まっていなかったからか、ちょいゆるな画風が可愛いんですよね。

もちろん見返り美人図もUkiyoe Stockの中でも人気の素材。

西川祐信(にしかわ すけのぶ)も菱川と時代が近いせいか、ちょいゆるな画風が多め。
京都で活躍した絵師で、絵本の挿絵をたくさん描いていたようです。

超ゆるゆる脱力系 竹原春朝斎・耳鳥斎

最後は脱力系イラストの金字塔、
竹原春朝斎(たけはら しゅんちょうさい)と耳鳥斎(にちょうさい)を紹介します。

この二人の絵は鳥羽絵(とばえ)というジャンルに分類されます。
ジャンル名は有名な「鳥獣人物戯画」の作者、鳥羽僧正覚猷(とばそうじょう かくゆう)の名に由来します。
百聞は一見に如かず。

まずは竹原春朝斎から

これ、本当に数百年前のイラスト??ってなりませんか?かわいい。
手足を細長く描くのが鳥羽絵の特徴。かわいい。

耳鳥斎の鳥羽絵も見てください。

か…かわ…っっ😳
このいかにも悪事企んでいそうだけど憎めないおじさん。。。好き。

まぁ耳鳥斎自身はあまり「鳥羽絵」と言われたくなかったようですが、
とりあえずかわいいからなんでもいいと思う😀

まとめ

(厳密に言うと浮世絵ではないかもしれないけれど)浮世絵にはごっついの以外に
かわいい絵がまだまだたくさんあります。

美術・芸術には興味ないから、なんて言わずにぜひ楽しんでもらえたら嬉しいです。

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